第Ⅰ部〈作品分析〉
『罪と罰』、隠された女神たち 芦川進一
『白痴』における笑い 上田洋子
ドストエフスキー文学におけるイメージと想念の多重性について 小田島太郎
『白痴』におけるムイシュキンとロゴージンの形象 高橋誠一郎
『白痴』における女性名詞単 数造格語尾《-ИЮ\-ЬЮ》の使い分けについて 安藤 厚
ドストエフスキーの長編小説と『作家の日記』における 「美」の用法 安藤 厚
ドストエフスキイの『悪霊』における語り手の「安全性」について 桜井厚二
ドストエフスキイの小説とうわさ話 野中春菜
ドストエフスキーの長編小説で誰が主人公か 小田島太郎
『悪霊』の逆説 糸川紘一
『悪霊』に入らなかった一章 国松夏紀
ドストエフスキーの小説『おとなしい女』にみる時間意識 望月哲男
『おとなしい女』論――主人公の「不幸な意識」をめぐって 木下豊房
ローセフのシンボル論とドストエフスキーの短編『おとなしい女』 ウラヂーミル・ジダーノフ/鈴木淳一
第Ⅱ部〈比較・対比研究〉
ドストエフスキイと村上春樹 井桁貞義
ディケンズとドストエフスキー 及川陽子
ドストエフスキーとアンドレーエフ・比較試論 金沢美知子
「大審問官」とプーシキン 郡 伸哉
B. C. ソロヴィヨフの「全一的知」とドストエフスキー 小林銀河
ドストエフスキイの美術アカデミー展評 池田和彦
ドストエフスキイとマネの『ニンフとサチュロス』 池田和彦
第Ⅲ部〈バフチンの視点をめぐって〉
生成するテクスト 杉里直人
ドストエフスキーにおける〈声〉と〈顔〉の主題を問題化するために 番場 俊
バフチン「ドストエフスキー論」の説得力 国松夏紀
バフチンのフロイト批判 萩原俊治
ポリフォニー小説の概念をめぐって 木下豊房
パラドックスとポリフォニー 望月哲男
第Ⅳ部〈精神分析・宗教的視点から〉
ドストエフスキーの読者について 萩原俊治
ドストエフスキーの近代科学観 萩原俊治
わが隣人ドストエフスキー 萩原俊治
ドストエフスキーの文学における甘えの構造 清水孝済
ドストエフスキーと催眠術 越野 剛
ドストエフスキイ作品中の神とキリストの齟齬について 山口 仁
第Ⅴ部〈研究ノート〉
ドストエフスキーとユダヤ人問題・覚え書き 中村健之介
ドストエフスキーとダニレーフスキイ 高橋誠一郎
主人公と外面化の機能 郡 伸哉
ドストエフスキイと神話 桜井厚二
もういちどドストエフスキー事始め 鈴木淳一
ドストエフスキーにおける依存型人間 中村健之介
ドストエフスキー研究とコンピュータ 安藤 厚
木下豊房(きのした とよふさ)
1936年長崎県生まれ
早稲田大学大学院文学研究科(ロシア文学)博士課程単位取得退学。
現在、千葉大学教授。
主著:『近代日本文学とドストエフスキー』(成文社、1993)ほか
安藤 厚(あんどう あつし)
1947年神奈川県生まれ
東京大学大学院人文科学研究科(比較文学比較文化)修士課程修了
現在、北海道大学教授
主著:『ドストエフスキー《罪と罰》コンコーダンス』(共編、北海道大学、1994)
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