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書籍のご案内

資本市場と企業金融
  
Zhai(テキ)林瑜 著
A5判・上製・336頁
(本体6,600円+税)
ISBN 4-8115-5231-8
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内容概略
 資金余剰主体から資金不足主体への資金の流れ方に関する研究は三つに大別でき、一つは主な資金余剰主体である家計の貯蓄動機と投資行動などに関する家計の貯蓄・投資理論で、二つは金融制度や証券市場についての金融論・証券市場論で、三つは主要な資金不足主体である企業の資金調達と投資についての企業金融論である。
 しかし、家計の金融資産選好がおのずと企業の資金調達と投資行動に影響を与えることからも連想できるように、この三つの分野は、本来相互に依存しているはずである。この密接不可分の関係にある三分野を統合的な視点から分析するものが意外に多くないなか、日ごろ三分野間の「対話」が必要と感じる著者が、 10年間の研究を一つの書物にまとめたのが本書である。
 主として資本市場と企業金融の問題に焦点を当てて分析が試みられた本書では、以下の三つのことがとくに重視された。第1、投資家のリスクに対する態度、第2、投資家と企業経営者間のエージェンシー問題、第3、投資家を保護するための法環境(法理念と法の実効性など)。

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目次

第1部 資本市場
  第1章 資本市場とその規定要因
  第2章 資本市場とリスク配分
  第3章 資本市場と法指向
  第4章 資本市場、私権希薄化とリスク配分
  第5章 株式持ち合いの功罪
第2部 企業金融
  第6章 企業金融とガバナンス
  第7章 資本構成決定のエージェンシー理論アプローチ
  第8章 ガバナンス道具としてのレバレッジ――情報非対称性下の資本構成理論
  第9章 資本構成決定のゲーム理論アプローチ
  第10章 低配当政策の功罪
  第11章 中国の企業改革の意義と限界――所有セクター別の企業改革を中心に
  第12章 中国の資本市場整備と企業金融

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著者

Zhai(テキ)林瑜 著

 (テキ リンヨ・Linyu Zhai)

1956年 中国河北省生まれ
1982年 北京科学技術大学金属工学部卒業、北方工業大学経営学部助手
1985年 留学のため来日
1991年 九州大学大学院経済学研究科博士課程修了、経済学博士
1993年 大阪市立大学商学部助教授
1998年~大阪市立大学商学部教授
主著:
   『企業のエージェンシー理論』(同文館、1991年)

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