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通貨危機と円の国際化
  
島崎久彌 著
A5判・上製・272頁
(本体3,200円+税)
ISBN 4-8115-5561-9
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内容概略
 本書は第1編において、新興市場国の通貨危機の問題を取り上げ、21世紀型通貨危機の特質を解明するとともに、国際間における短期資本の跳梁を促す契機となったWTOやIMFなどの国際機関を中心とする「ウォール街・アメリカ財務省複合体」(バグワティ)による金融、資本自由化の動きを考察。
 次に、通貨危機対策として脚光を浴びるに至ったカレンシー・ボードの導入案と、国際短期資本の移動に対する規制問題を取り上げ、さらにメキシコとタイにおける通貨危機の発生と、それが他の新興市場国に波及していく過程を詳細に分析。
 第2編では、貿易・通貨ブロックと通貨圏の概念規定を明確にし、国際通貨の機能とその要件について検討。公的部門と民間部門の各通貨機能ごとに、円の国際通貨としての現状を分析し、円が国際通貨としてはもとより、東アジアのリージョナル・カレンシーとしても、いかに未成熟な段階にあるのかを具体的に明らかにする。

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目次

第一編 新興市場国の通貨危機
 第1章 短期資本とその対応
    危機の原因と波及の過程/国際機関と金融・資本の自由化/通貨危機への対応
 第2章 メキシコの通貨危機
    証券投資の増加と背景/通貨危機の原因と深化
 第3章 アジアの通貨危機
    通貨危機の原因/短期資本の流入
 第4章 アジア通貨危機の伝染
    通貨危機の伝染とIMF/タイガー諸国と韓国/ドラゴン諸国と中国
第二編 円の国際化
 第5章 若干の概念規定
    貿易、通貨ブロックと通貨圏/国際通貨とその要件
 第6章 円の公的通貨機能
    計算単位機能/介入通貨機能/準備通貨機能
 第7章 円の民間通貨機能
    契約通貨機能/取引通貨、媒介通貨機能/投資通貨機能
むすびにかえて――規制緩和の幻想

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著者

島崎久彌 著

島崎久彌(しまざき きゅうや)

1928年5月 東京都に生まれる
1953年3月 東京大学法学部卒業
同 年4月 (株)東京銀行入行
1984年4月 関東学院大学経済学部教授
1991年7月 博士(経済学)九州大学
1992年4月 神奈川大学経済学部教授
1999年3月 定年退職

主 著 
   『金の世界』(有斐閣、1982年)
   『金と国際通貨』(財団法人外国為替貿易研究会、1983年)
   『ヨーロッパ通貨統合の展開』(日本経済評論社、1987年)
   『円の侵略史』(日本経済評論社、1989年・日経図書文化賞)
   『国際金融論新講』(泉屋書店、1990年)
   『大欧州圏の形成』(白桃書房、1996年)
   『欧州通貨統合の政治経済学』(日本経済評論社、1997年)
   『世界経済のリージョナル化』(多賀出版、1999年)

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