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科学・技術と価値
―連関分析アプローチ  
菰田文男 著
A5判・上製・288頁
(本体3,200円+税)
ISBN 4-8115-5821-9
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内容概略
 人文社会科学がその指針を失い悩んでいる理由は、社会の価値が多元化し価値の大きな混迷状況に陥っているからである。物質的な欲求がある程度充足された今日、精神的な欲求を充足させる情報やサービスにおける豊かさを追求するような方向に向かいつつある。
 しかし、真の豊かさとは何か、その価値基準は何かなどの問いに対する答えは見いだされていない。他方で、豊かさをもたらしてきた科学や技術の性質を知ることはますます難しくなり、われわれはその進歩をコントロールする能力を失いつつあるようにもみえる。
 本書は、こうした社会認識からわれわれの課題を、価値の混迷状況を克服してあるべき価値を追求し、それにもとづいて技術の進歩をコントロールすること、科学と技術を人間の手に取り戻すこと、と設定。そのための基礎として、科学・技術と人間・社会の関係の考察、科学・工学・技術の知と人文社会科学の知の融合に向けた試論。

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目次

序 章 技術連関分析と科学・技術の思想
第1章 自然の階層構造と人間・社会
  自然の階層構造
  新しい科学・技術の思想としての非線形系
  価値・目的・意味と自然科学、社会科学
第2章 生命科学・脳科学と人文社会科学
  物理学・化学に基礎を置く生物学と進化論
  神経系の発展と脳
  人間・社会と脳
  脳、社会、価値
  人工物としての技術の進歩と価値
第3章 新しい科学・技術の思想と技術連関表
  科学・技術の全体像
  物理学における新しい思想と他分野への浸透
  数学と情報科学
  遺伝子工学と脳科学
第4章 新しい科学・技術と新消費主義
  現代社会の課題
  新消費主義
  新消費主義と現在技術・未来技術
第5章 日本の科学・技術研究基盤と政策
  新消費主義と要素技術
  日本の科学・技術研究の水準
  日本の研究開発システムの再構築
  科学・技術政策
終 章 科学・技術、社会システム、価値

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著者

菰田文男 著

菰田文男(こもだ ふみお)

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