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書籍のご案内

合併規制と効率性の抗弁
  
武田邦宣 著
A5判・上製・304頁
(本体6,400円+税)
ISBN 4-8115-6031-0
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内容概略
 本書は、企業合併が生産上の効率性を生み出す場合に、独占禁止法上どのように評価すべきかという問題を、独占禁止法の母法である米国の連邦反トラスト法を参照しつつ、明らかにしようとするものである。
 このような問題は効率性の抗弁の問題と呼ばれ、独占禁止法学の重要な論点の一つと認識されてきたにもかかわらず、これまで必ずしも体系的な研究がなされてきた訳ではなかった。日米欧を問わず大型合併が相次ぐ現在において、本書が判例や学説を体系的に整理しようと試みた意義は大きいと言える。
 また本書は、効率性の抗弁を巡る議論の背景にある反トラスト思想の歴史的展開にも十分留意しており、合併規制のみならず、反トラスト法や独占禁止法におけるその他の研究対象にも役立つものである。

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目次

第1章 問題の所在
  研究の目的/基礎概念及び基礎知識の整理/規制法の検討/問題の設定
第2章 連邦最高裁判例
  概説/セラー・キーフォーバー法の立法意図/ウォーレン・コート期の最高裁判例/
  ウォーレン・コート期の下級審判例及び学説の展開/ジェネラル・ダイナミクス抗弁
第3章 学説の検討
  概説/反トラスト法の目的を巡る学説の変化/競争効果基準/トレードオフ基準/
  単純モデルを巡る議論/効率性の抗弁を巡る方法論の検討
第4章 ガイドライン及び下級審判例の検討
  概説/1968年司法省合併ガイドライン/1982年司法省合併ガイドライン/
  1984年司法省合併ガイドライン/1992・1997年合併ガイドライン、ガイドラインの運用状況/
  下級審判例の検討
第5章 日本法への示唆
  米国法からの示唆/日本法への示唆/効率性の抗弁/違法性判断基準のあり方/
  効率性考慮のあり方

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著者

武田邦宣 著

武田邦宣(たけだ くにのぶ)

1971年 兵庫県生まれ
1999年 神戸大学大学院法学研究科博士課程修了
現 在 神戸市外国語大学助教授

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