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現代内航船主経営史の研究
  
千須和富士夫 著
A5判・上製・624頁
(本体9,500円+税)
ISBN 4-8115-6181-3
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内容概略
 昭和58(1983)年の東京商船大学・笹木弘教授らの共同研究『機帆船海運の研究』以来、19年ぶりに内航海運の本格的研究が出現した。
 日本海運研究史上、金字塔と後世評価される快著である。著者は港湾経済を主要専門分野に、港湾環境政策に係わる国際共同研究のリーダーの実績を持つが、単独執筆の本書は、学際研究を意識し、海運関係以外の研究者にも利用できるよう前半を瀬戸内海の小村汽船(株)生成史に当て、創業者で経営主体である現役小村進氏に焦点を絞り、船員から5隻の内航船舶貸渡業へと成長した経過を、経営思想、経営倫理、意思決定過程を同氏の人生軌跡をたどり、実証する。
 ユニークな研究発表手法は、それだけでも一読の価値がある。この事例研究に加え、ともすると論理叙述となりがちな産業組織、市場構造、労資関係を法学、経済学、経営学、実態調査等の諸文献を駆使して実証的立体的に描き切っている。

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目次

第一編 ある瀬戸内船主の現代史――小村汽船の場合
  第一章 立志
  第二章 独立――資本の原始的蓄積期
  第三章 成長――資本の高度蓄積期
  第四章 守成――低蓄積期
第二編 小村汽船の経営分析
  第一章 社史資料の性格
  第二章 経営分析
  第三章 経営史的総括
第三編 広島県下木江海運支局管内の内航船主の性格分析
  第一章 木江地区内航船主の実態調査
  第二章 地方内航船主の実態――岡山県日生地区、愛媛地区船主との比較
第四編 日本内航海運市場の構造
  第一章 国際的関心
  第二章 内航海運市場規制の法体系
  第三章 需要の特性と市場規模
  第四章 内航海運事業の供給側特性と共同企業船団
  第五章 定期航路事業を巡る諸問題
第五編 内航海運市場改革――産業政策と競争政策のせめぎ合い
  第一章 産業政策と競争政策
  第二章 第一次構造改革運動
  第三章 規制緩和運動
  第四章 第二次構造改革運動
  第五章 市場構造ビジョン論の検討
  第六章 構造改革の道――市場、企業組織、事業運営、労働

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著者

千須和富士夫 著

千須和富士夫(ちすわ ふじお)

1935年 横浜生まれ
1962年 東京都立大学人文科学研究科日本史東洋史修士課程修了
1989年 広島商船高専流通情報工学科教授(1999年退職)
1996年より3年間にわたり港湾環境政策に関する国際共同研究に研究代表者として従事
共著:『港湾労働』(成山堂書店)、『現代の海運』『現代の港湾』(税務経理協会)

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