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書籍のご案内

中欧の経済改革と商品先物市場
  
森田憲 著
A5判・上製・376頁
(本体7,400円+税)
ISBN 4-8115-6231-3
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内容概略
 経済体制の移行とはいったい何なのか、いったい何が問題なのか。資本移動、とりわけ投機的資本移動とは何であり何が問題なのか。経済改革と資本移動との関係はどのようなものなのか。そうした問いに答えることが本書のねらいである。
 冷戦が終焉し、旧計画経済体制諸国の市場経済への移行がはじまった。それはグローバル化への試みでもある。本書は、中欧諸国の経済体制移行とそれに伴うグローバル化、とりわけ資本市場に関わる諸問題について考えている。(1)中欧の経済改革とリスクおよび(2)商品先物市場における投機現象とその対処策の位置づけ、である。
 本書では、ワルシャワとブダペストにおける商品取引所の必要性と現状を手がかりとし、対中欧投資をとおしてリスクの所在をとらえ、事例研究をつうじて投機の性質と対処策を模索している。経済改革に注目が集まり、また資本市場の機能が問われている現在の国内および国際経済をとらえるうえで、本書は必読の文献である。

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目次

第1部 中欧の商品先物市場
 第1章 先物市場と計画経済
  先物取引と計画経済/不確実性と調整機構/調整機構と効率性/結論
 第2章 中欧の経済改革と商品先物市場の必要性
  ポーランドにおけるインフレーションについて/ポーランドにおける民営化について/
  ポーランド農業と商品取引所の機能について/ポーランドにおける商品先物市場の必要性について/結論
 第3章 中欧の商品取引所の現状
  ワルシャワ商品取引所およびブタペスト商品取引所:概観/
  中欧の商品取引所と効率性仮説:ハンガリーの場合/おわりに:中欧の商品取引所とグローバル化問題
 第4章 中欧の商品取引所の機能
  ブタペスト商品取引所および東京穀物商品取引所:概観/
  ブタペスト商品取引所および東京穀物商品取引所の機能・効率性について/
  拡大EUとブタペスト商品取引所
第2部 中欧の経済改革と資本移動
 第5章 経済改革の政治経済学
  経済改革の諸類型/構造改革なきコスト・プッシュ・インフレ/成長志向型改革のすすめ
 第6章 戦後日本の経験とポーランドの経済改革
  戦後日本の経済成長/戦後日本の経済改革/ポーランドの経済改革/
  ポーランドの経済改革:戦後日本の経済改革との比較
 第7章 ダイハツ- FSO・ケースの経済分析
  事実/解釈/結論
 第8章 日本の対中欧直接投資
  日本とポーランドの国際経済関係/日本の対ポーランド直接投資の現状/
  なぜ日本の対ポーランド直接投資の「絶対的規模」は小さいのか
 第9章 対中欧直接投資と資本移動
  対中欧直接投資:概観/対中欧直接投資と外貨準備/直接投資と資本移動
第3部 国際商品協定と先物市場
 第10章 過剰投機現象の分析と対処策
  過剰投機現象/分析用具/分析用具の適用/先物市場介入
 第11章 不安定化投機の早期発見
  異常な性質の投機現象/事例研究/事例の整理と視点の摘出
 第12章 国際商品協定の経済学
  理論/応用
 第13章 国際商品協定と先物市場の経済社会学
  マッキノン提案の意図/四つの不確実性軽減方策/四つの機能的緊急事態/四つの交換類型/対応関係
 第14章 国際商品協定と先物市場の政治経済学
  国際レジーム論/他の類型との対応関係/国際商品協定の諸方式との対応関係/国際商品協定の政治経済学

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著者

森田憲 著

森田 憲(もりた けん)

1947年 愛知県生まれ
1980年 東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学
1988年 小樽商科大学商学部教授
1991年 広島大学経済学部教授
編著書:『紛争地域現代史』(同文館)

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