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ボルボ・システム
―人間と労働のあり方  
丸山惠也 編著
A5判・上製・224頁
(本体2,900円+税)
ISBN 4-8115-6301-8
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内容概略
  20世紀資本主義経済社会を牽引したフォード生産システム。しかし、この大量生産体制は20世紀末には深刻な限界に直面せざるをえなかった。
 巨大市場と単純反復の非熟練労働の存在を前提にしたこのシステムからの脱皮を目指し、世界の注目を浴びた日本的生産システム(トヨタ生産システム)をも批判的な射程に置き、新たな試みとして登場したボルボ・システムの実践とその分析を通し、人間と労働のあり方の歴史と未来を考える。

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目次

第1章 フォード・システムと大量生産体制
  フォード・システムの形成/フォード・システムの意義と限界/
  GMの優位形成以降のフォード・システム
第2章 日本的生産システムの形成とその特徴
  日本的制裁システムの形成とその特徴/戦前期における「トヨタ生産システム」/
  戦後復興期(立上がり期)における日本的生産システム(1945~55年)/
  トヨタ生産システムの確立(1956~73年)/トヨタ生産システムの国内他産業企業への普及(1973年~)/
  日本的生産システムの海外企業への普及
第3章 ボルボ生産システムの前史
  ボルボの成立――スウェーデン自動車産業の黎明/戦後ボルボの飛躍/カルマルへの道
第4章 ボルボ生産システムの発展と展開
  ボルボの改革はどのように進んできたのか/
  改革を推進した歴史的背景――労使の生産・作業方式改革への取り組み/
  2つの改革――カルマルとウッデヴァラ第5章 ポスト・フォーディズムとボルボKLE経営
  産業構造の変化と企業経営/ボルボKLE経営における労働と管理の特徴/
  日本のQCサークルとKLE経営の限界
第6章 ボルボの環境戦略
  スウェーデンの企業環境/環境規制と環境管理システム/ボルボの環境対策
第7章 ボルボとトヨタ――生産システム比較
  トヨタの工場改革と人手不足問題/田原工場の設立と完全自動化の限界/
  宮田工場の改革とボルボ生産システム/宮田工場の4つの改革/
  宮田工場における改革の本質――人間工学的改善の観点から
終章 ボルボ生産システムの歴史的意義
  ボルボ生産システムの優位性/ボルボ生産システムと新しい社会環境

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著者

丸山惠也 編著

[ 編著者紹介 ]
丸山惠也(まるやま よしなり)
1934年生まれ
1957年明治大学卒業
1959年専修大学大学院修士課程修了
経営学博士(立教大学)
立教大学名誉教授、東邦学園大学学長
著書 『日本的経営――その構造とビヘイビア』(日本評論社、1989年)
   『日本的生産システムとフィレキシビリティ』(日本評論社、1995年)ほか
編著書『現代産業と経営分析』(多賀出版、2001年)
   『ボルボの研究』(柘植書房新社、2002年) ほか

[ 執筆者紹介 ]
橋本輝彦(はしもと てるひこ) 第1章担当
1944年生まれ
東北大学大学院経済研究科博士課程修了、経済学博士(東北大学)
現在、同志社大学経営学部教授
著書 『国際化のなかの自動車産業』(青木書店、1986年)
   『アメリカ経営史と企業革新』(創風社、1997年)ほか

川上義明(かわかみ よしあき) 第2章担当
1948年生まれ
慶應義塾大学大学院商学研究科博士課程単位取得、博士(商学、論文、福岡大学)
現在、福岡大学商学部教授
著書 『現代の生産システム』(税務経理協会、1997年)
   『生産システムの国際移転』(税務経理協会、2000年)ほか

石原俊時(いしはら しゅんじ) 第3章担当
1961年生まれ
東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得、博士(経済学、東京大学)
現在、t右京大学大学院経済研究科助教授
著書 『市民社会と労働文化』(木鐸社、1996年)
   『近代ヨーロッパの探求3 教会』(共著、ミネルヴァ書房、2000年)ほか

田村 豊(たむら ゆたか) 第4章担当
1960年生まれ
明治大学大学院博士課程単位取得退学、博士(経営学、明治大学)
現在、東邦学園大学経営学部助教授
著書 『ボルボの研究』(共著、柘植書房新社、2002年)

井上 宏(いのうえ ひろし) 第5章担当
1933年生まれ
名古屋大学大学院経済学研究科修士課程修了、経営学博士(立命館大学)
現在、東邦学園大学教授
著書 『現代企業の労働と管理』(ミネルヴァ書房、1987年)
   『知的創造の経営学』(八千代出版、2002年)ほか

黒川文子(くろかわ ふみこ) 第6章担当
1956年生まれ
慶應義塾大学大学院商学研究科後期博士課程単位取得
現在、獨協大学経済学部助教授
著書 『ボルボの研究』(共著、柘植書房新社、2002年)ほか

關 智一(せき ともかず) 第7章担当
1970年生まれ
立教大学大学院経済学研究科博士課程後期課程中退
現在、小樽商科大学商学部助手

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