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書籍のご案内

教育委員会制度再編の政治と行政
  
本多正人 編著
A5判・上製・320頁
(本体6,300円+税)
ISBN 4-8115-6441-3 C1037
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内容概略
 我が国の地方教育委員会制度は、昭和23年に任意設置で発足して以降、昭和27年の一斉設置、昭和31年の地方教育行政法による改正、平成11年の地方分権一括法成立による改正等を経て今日に至る。これまで教育委員会制度はその廃止論を含めて常に改善の余地が指摘され、そのいくつかは実施されたが、上記の昭和31年改正ほど大きな改正はなかったといってよい。このために従来の教育委員会制度研究では、昭和31年の前後で教育委員会制度の理念・本質が文部省によって大きく変更されてしまったとの前提が支配的であった。
 これに対して本書が提示する視角は次のような点である。どのように変わったかよりもなぜ変わったかを問うことで現代的な意義を再考できるのではないか、教育委員会制度が存続した事実にもっと注目すべきではないか、この時の改正論議において文部省にはいかなる選択肢があり、それがどのように取捨選択されていったのか。本書はこのような課題設定を受けて、教育委員会制度に与えられた教育予算編成に関する権限規定および措置要求権の行政組織に関わる側面と、参議院・緑風会、日教組、町村長会等の諸団体などの政治的団体の行動を分析することで教育委員会制度改正を再評価するとともに、終章では近年の地方分権改革の動向をふまえつつ本書の現代的意義づけを試みている。

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目次

序 章 課題設定
  地教行法制定までの経緯/本書の基本的立場/自治庁と文部省の関係/地方分権改革・教育改革と教育委員会制度改革/本書の構成
第1章 教育委員会の財政権限の変容
  教育委員会の財政権限/予算編成をめぐる問題状況/法令解釈上の対立/原案送付権廃止へ向けた動き/譲歩と妥協
第2章 文部大臣の措置要求権の成立過程
  序――問題の所在/分析視角/措置要求権新設の検討は、いかにして開始されたか/文部大臣の措置要求権は、いかにして地方自治法から独立したか/首長に対する措置要求権は、いかにして確定したか/結論――文部大臣の措置要求権は、なぜ成立したか
第3章 地教行法制定過程における地方六団体の動向とその論理――全国町村会を中心に
  教育委員会制度の改編をめぐる地方六団体の動き/地教行法制定をめぐる地方六団体の動き
第4章 地教行法制定過程における「任命制」論議の再検討――国会審議をめぐる政治過程の分析を中心に
  文部省における地教行法制定への準備と「任命制」/地教行法制定過程における「任命制」論議
終 章 教育委員会制度研究の総括と課題――戦後教育行財政制度の構造と教育政策の研究方法をめぐって
  「地教行法」研究の通説整理と問題/通説モデルの批判的検討と本研究の意義/教育委員会制度研究の課題
資料1 「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」成立史年表
資料2 木田宏氏インタビュー記録

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著者

本多正人 編著

本多正人(ほんだ まさと)
国立教育政策研究所教育政策・評価研究部主任研究官

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