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東アジアの経済発展、生産性の計量分析
  
大坂仁 著
A5判・上製・264頁
(本体5,700円+税)
ISBN 4-8115-7001-4  C1033
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内容概略
 東アジアのこれまでの急速な経済発展は、20世紀における国際経済の中でも特筆すべき事柄の一つである。しかし、これまでの急速な東アジアの経済発展が決して順調なものでなかったことは、1997年にタイを契機として東アジアを席巻した、いわゆる通貨危機に端的に示されている。また、特に1990年代以降では、低迷する日本経済、更に躍進する中国経済と、国際経済でもとりわけ関心の高い様々な出来事も東アジア地域で起こっており、これらは東アジア経済のダイナミズムを象徴するものである。
 本書では、最近に至るまでの東アジア経済の発展概況の中でも、特に経済発展過程における産業構造変化、生産性分析、持続可能な経済発展といった大きく3つに分けたテーマに沿って実証的に検証を行なっている。これらのテーマのもとで、経済発展と産業構造変化、所得分配と平等性、生産性分析、通貨危機や環境汚染などの問題に焦点をあて、いわゆる東アジアの経済発展過程における諸相ともいえる事項について、これまでの先行研究・文献をレビューしつつ、国際データを用いて計量的に実証分析を試みたものである。

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目次

はしがき
第1章 東アジアにおける経済発展の概況
 1. 東アジアの経済発展
 2. 本書の構成とまとめ
第2章 東アジアの経済発展と構造変化
 1. はじめに
 2. 伝統的農業部門と2部門経済
 3. 人口問題と農業開発
 4. 経済発展と工業化
 5. 東アジアの産業構造変化:定型化された事実
 6. 東アジアの経済発展と工業化:パネルデータ分析
 7. まとめ
第3章 所得分配と平等性
 1. はじめに
 2. 東アジアにおける所得レベル格差
 3. 経済発展と所得分配の不平等度における逆U字仮説
 4. アジア太平洋地域における逆U字仮説の例証:大坂(2002a)の検証
 5. UNU-WIDER(2000)のデータによるクロス・カントリー分析
 6. 経済発展と平等性
 7. まとめ
第4章 東アジアにおける成長会計分析
 1. 東アジアの生産性とクルッグマンの「幻のアジア経済」
 2. これまでの生産性分析の概要
 3. 成長会計のフレームワーク
 4. 成長会計による生産性分析
 5. 生産性分析の更なる検証
 6. まとめ
第5章 工業化と生産性分析
 1. はじめに
 2. 定型化された事実
 3. 単位根検定、共和分分析およびデータについて
 4. 回帰による実証分析
 5. 拡張したモデルによる回帰分析
 6. 誤差修正モデル
 7. まとめ
第6章 通貨危機とその後の展望
 1. はじめに
 2. 東アジア通貨危機をめぐる国際資本フロー
 3. 東アジアの経済発展と国際資本フローの動向
 4. 経済成長と国際資本フローの関連性:グランジャー因果性テスト
 5. 通貨危機の伝染効果
 6. 通貨危機の再発防止策
 7. 生産性分析からの一考察
 8. まとめ
第7章 経済発展と環境汚染
 1. 環境問題とアジア地域の環境協力
 2. 環境クズネッツ曲線の検証:先行研究レビュー
 3. 環境クズネッツ曲線におけるデータ概観
 4. 回帰による実証分析
 5. 分析結果と含意
参考文献
索引

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著者

大坂仁 著

大坂仁(おおさか ひとし)
九州大学大学院経済学研究院助教授

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