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書籍のご案内

自閉症児の運動発達
―神経心理学的視点からの評価と支援  
是枝喜代治 著
A5判・上製・352頁
(本体6,000円+税)
ISBN 4-8115-6961-X C1037
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内容概略
 自閉症児の身体運動面の問題は、自閉症を特徴づける主要な問題とはされていない。しかし、旧来より乳児期の「はいはい」などの動作に異常のあることや身体の不器用さが観察されるなど、自閉症児には運動に関連する多様な問題が顕在するという認識が一般的となっている。また、運動に関して、発達的視点から取り組んだ研究は世界的にも殆ど見受けられない現状にある。
 本書では、まず、自閉症児の運動発達を経年的に探るため、長期間にわたって継続的に取り組んできた運動検査のデータをもとに、その発達的変化について検討した。そして、言語や認知、運動等の人間の行動と脳機能との関わりを検討していく神経心理学の立場から、これまでとは異なる評価方法を検討し、その指標をもとに、自閉症児の運動特徴について多面的に考察した。さらに、多様な遊具環境を利用したムーブメント教育法にもとづく指導事例から、自閉症児の運動発達支援の在り方を模索し、まとめと提言を行った。
 本書が、自閉症児の発達支援や、養護学校の教育カリキュラムの作成等に少しでも役立ってくれることを願う。

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目次

第1章 研究の背景と目的および方法
 1.自閉症児の身体運動に関する研究の動向
 2.自閉症児の身体運動に関する研究の課題
 3.研究の目的および仮説と方法
第2章 小学校児童の運動発達とクラムジネスの諸相
 研究1 小学校児童の身体協応性の発達
 研究2 小学校児童の身体協応性発達に関する追跡的研究
 研究3 Clumsy Children Screening Test(CCST)の試作
 研究4 Clumsy Children Screening Test(CCST)の適用
 研究5 自閉症児のクラムジネスの諸相
第3章 自閉症児の身体運動発達に関する縦断的研究
 研究6 自閉症児の運動能力の発達に関する追跡的研究
 研究7 自閉症児の運動機能の発達に関する追跡的研究
第4章 神経心理学的側面からみた自閉症児の身体運動に関する評価法の検討
 研究8 トランポリン身体協応テスト(Trampolin-Korperkoordination Test:TKT)の標準化
 研究9 質問紙(CCST 改訂版)を用いた自閉症児の身体運動能力の特性
 研究10 自閉症児の直立姿勢維持(静的バランス)能力の特性
 研究11 自閉症児の運動模倣能力の特性
第5章 自閉症児の運動発達支援に向けた実証的研究
 研究12 運動能力の向上に視点を当てた自閉症児の運動発達支援
 研究13 運動協応性の向上に視点を当てた自閉症児の運動発達支援
 研究14 身体意識能力の向上に視点を当てた自閉症児の運動発達支援
第6章 研究総括―自閉症児の身体運動発達の特性と支援に関する結論
 1.研究のまとめ
 2.自閉症児の身体運動発達支援に関する提言
 3.広域科学としての教科教育学への本研究の位置づけ

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著者

是枝喜代治 著

是枝喜代治(これえだ きよじ)
国立特殊教育総合研究所教育支援研究部・主任研究官

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