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金融派生商品の価格付けに関する戦略的考察
  
足立光生 著
A5判・上製・160頁
(本体4,000円+税)
ISBN 4-8115-6931-8  C1033
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内容概略
 本書は、金融機関における実務的視点から金融派生商品の価格付け理論を戦略的に再編成していく研究をまとめたものであり、7つの章から構成されている。第1章は不完備市場へ応用された新しいマルチンゲール測度の存在可能性、ならびに金融市場への応用を考察する研究ノートである。第2章は最初期のオプションプライシングモデルであるBlack=Scholesモデルの誕生経緯について、理論構築当時の技術制約から考察していく研究ノートである。第3章は、近年とりわけ注目を集めるGARCHとGARCH型オプションモデルについて考察したものである。第4章は非線形オプションモデルを使用する現場の判断基準としてBDS検定を検証し、続く第5章において第3章と第4章の包括的なまとめとして金融機関への提案を行っている。第6章は従来型研究とは全く異なる発想を拠り所に、古典的オプションプライシングモデルであるJump-Diffusionモデルの再編成を試みた。それは確率微分方程式に立脚する金融派生商品価格付け理論に、あえて複雑系モデルを導入する試みであり、Poissonイベントを表すパラメータの決定法を考察した。第7章では第6章の議論に関して、モーゲージ担保証券のプライシング法への応用を試みている。

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目次

  第1部・基礎理論ノート
第1章 (研究ノート1)新しいマルチンゲール測度
 はじめに
 1. Girsanov変換
 2. Black-Scholes Economyと同値マルチンゲール測度
 3. 極小マルチンゲール測度
 おわりに
 1章付録 
第2章 (研究ノート2)コンピュテーショナルな制約とBlack=Scholes理論の誕生
 はじめに
 1. Black=Scholesモデル誕生時の情報処理速度
 2. Black=Scholes偏微分方程式の変換
 おわりに
 2章付録 
  第2部・応用編Ⅰ 離散時間GARCHと派生商品評価
第3章 離散時間GARCH型オプションモデル
 はじめに
 1. 市場の無裁定性を保証する均衡式
 2. GARCH型オプションプライシングのためのパラメータ設定 
 3. 検証
 4. プライシングモデルの選択
 5. まとめおよび今後の課題
 3章付録
第4章 (補論)BDS検定と日経平均
 はじめに
 1. 次元計測とBDS検定の着想
 2. 日経平均に対するBDS検定
 3. BDS検定結果からの示唆
 おわりに
第5章 GARCH型オプションモデルとBDS検定
 はじめに
 1. 方法
 2. 結果
 3. 今後の課題
  第3部・応用編Ⅱ Jumpと金融派生商品評価
第6章 Jump-DiffusionモデルとContact Process
 はじめに
 1. 仮説(金融市場と情報伝播)
 2. モデル(情報伝播とContact Process)
 3. 証明の展望
 おわりに
 6章付録
第7章 (補論)Agent Approachとモーゲージ担保証券
 1. モーゲージ担保証券
 2. 土台とするモデル
 3. 戦略構築の前に
 4. 戦略
 7章附録
参考文献
索引

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著者

足立光生 著

足立光生(あだち みつお)
名古屋商科大学会計ファイナンス学部助教授

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