はしがき
序章 1930年代の教育と社会をめぐる課題―人口と教育の動態史研究にむけて
1 ペダゴジーと教育人口動態
2 トランジッション問題の顕在化と人口問題の枠組―検討の対象
3 本研究の位置―関連先行研究との関係で
4 本書の構成
1章 「人口問題」の言説空間―人口問題研究会・人口問題研究所を中心として
1 「人口問題」と教育
2 場の形成―人口問題研究における実践的性格の深まり
3 「人口問題」の認識枠組み
4 「人口問題全国協議会」での諸議論
2章 教育人口動態をめぐる議論―「人口問題」における青少年と家族
1 人口問題と「青少年」―変動する社会における渦中の世代
2 人口問題における家族の位置づけ─保護と自律のあいだで
3 人口問題研究の提起したもの─教育と人口を結びつける視座
3章 義務後教育機関をめぐる教育人口動態
1 義務後教育機関への教育人口動態からのアプローチ
2 尋常小学校卒業人口の変化
3 拡がる義務後教育機関への進学
4 義務後教育機関卒業後の進路動向
5 教育人口動態と〈学校―職業社会〉
4章 都市社会の変容―大都市の人口構造と青少年への関心
1 都市人口の変化と青少年
2 都市流入の時代―1920年代の動向の概観
3 大都市青少年人口構造の変化
4 流入青少年たちへの関心の形成
5章 少年職業紹介からみた青少年労働市場の構造
1 戦間期の青少年労働市場への視角
2 青少年労働人口のマクロ動態―『国勢調査』からの検討
3 少年職業紹介利用の量的把握
4 少年職業紹介に表れた青少年労働市場の具体相
5 「代替ルート」から「唯一の道」へ
6章 青少年労働の新展開と職業観の変容―ジェンダーと徒弟制をめぐる諸課題
1 青少年労働市場の実際と課題
2 職業選択の新動向―戦間期の青少年女子労働力をめぐって
3 青少年労働者の生活と処遇をめぐる課題―商業徒弟に注目して
4 技能形成・伝達方式の動揺―工業徒弟をめぐる課題
5 青少年労働の課題と「一人前」へのプロセスの動揺
7章 青少年労働における生活の主題化―「輔導」から「生活指導」へ
1 生活という課題
2 「少年労働問題」における「輔導」の位置づけ
3 労働生活の格差構造と「輔導」
4 「輔導」から「生活指導」へ
5 労働領域と生活領域との接合
8章 労働科学における発達論の展開―桐原葆見の労働心理学に注目して
1 労働科学としての労働心理学と教育
2 労働科学研究所と桐原葆見
3 労働者の発達論―近代労働の捉え返し
4 労働科学と教育科学の結節点
9章 「科学的精神」論から「生活の科学化」へ―科学観の社会的定着に着目して
1 科学に関する議論の活発化と「科学的精神」
2 多様な「科学的精神論」の提起
3 「生活の科学化」が前提とした科学観
4 技術のとらえ方と科学観
10章 教育実践と教育学の新展開の諸相―ペダゴジーの新たな段階をめぐって
1 教育実践と教育学の関係性の変容
2 民間教育運動・実践の新展開―実践の学による再構成
3 講壇教育学の転換の動向
4 教育科学の展開とその社会的基盤―教育実践と教育研究の新しい連携の動向
結び―ペダゴジーの新展開とその基盤
主要索引
木村元(きむら はじめ)
一橋大学大学院社会学研究科教授
©Copyright 2004-2025, Taga Shuppan. All Rights Reserved.