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書籍のご案内

地域コミュニティの環境経済学
―開発途上国の草の根民活論と持続可能な開発  
鳥飼行博 著
A5判・上製・416頁
(本体6,200円+税)
ISBN 978-4-8115-7131-7  C1033
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内容概略
本書は、先進国と途上国が共に直面している持続可能な開発をめぐり、草の根民活に注目して「地域コミュニティの環境経済学」を創設する最先端の研究成果である。宇宙船地球号の共生、社会的責任論、開発戦略とソーシャル・セイフティーネット、少子高齢化と出生率回復、人口増加と環境負荷、ジェンダーとリプロダクティブヘルス、地域経済と家内工業、再生可能エネルギーと京都メカニズム、熱帯林とローカルコモンズ、リサイクル・ゴミ輸出を含めた汎アジア循環型社会に関する9章から構成され、図表200個以上、写真30枚以上を所収する大著である。
 近年、地域コミュニティやNGO・NPOなど草の根援助が注目されているが、本書は具体的なデータを基にして厳密な議論を展開し、開発と環境保全のあり方を提唱する。それは新たな「草の根民活論」の構築であり、世界を網羅するデータに裏付けられた明確な論理的・実証的研究である。研究者・学生だけではなく、各種機関、経営・市民活動に関わる諸氏にも有益な書籍である。

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目次

第1章 開発と環境
 1. グローバル化の中での共生
 2. 開発途上国
 3. 人間開発指標の南北格差
 4. 経済成長と環境負荷の関連
 5. 持続可能な開発の課題
第2章 開発戦略とその問題点
 1. 農業部門
 2. 産業構造の変化
 3. 工業化の問題点
 4. 草の根民活
第3章 人口増加と少子高齢化
 1. 世界人口の推移
 2. 少子高齢化の問題
 3. 出生率決定のメカニズム
 4. 出生率回復は必要か
第4章 人口・環境・ジェンダー
 1. 南北協力の合意
 2. 環境人口学
 3. ジェンダー不平等
 4. ジェンダーと開発
 5. へルスケア
 6. 人口政策
第5章 国内の地域格差
 1. 都市化
 2. 都市インフォーマル部門
 3. フィリピンの地域格差
 4. インドネシアの地域格差
第6章 タイの地域コミュニティ
 1. タイの農業
 2. 家内工業の役割
 3. シルク生産
 4. 地域コミュニティにおけるワーク・シェアリング
 5. 地域コミュニティにおけるコモンズ管理
 6. 草の根民活の基盤
第7章 地域コミュニティの再生可能エネルギー
 1. 地球温暖化
 2. CO2排出の南北比較
 3. 温室効果ガス削減の京都メカニズム
 4. 発電部門
 5. 再生可能エネルギーの開発
 6. マクロの温暖化対策
第8章 熱帯林減少とその適正管理
 1. 森林減少の問題
 2. 熱帯林減少の要因
 3. 持続可能な林業
 4. 森林・生物多様性の保全
 5. 森林保全資金の充実のために
第9章 廃棄物輸出とリサイクル
 1. アジア諸国の廃棄物処理
 2. 日本のリサイクル
 3. 日本からアジア諸国へのゴミ輸出
 4. フィリピンの民間リサイクル
 5. 汎アジア循環型社会の可能性
引用・参考文献一覧
索引

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著者

鳥飼行博 著

鳥飼行博(とりかい ゆきひろ)
東海大学教養学部助教授

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