社会科学図書出版の多賀出版株式会社

 

書籍のご案内

「音痴」克服の指導に関する実践的研究
  
小畑千尋著
A5判・上製・224頁
(本体4,900円+税)
ISBN 978-4-8115-7151-5 C1037
ご注文
内容概略
自分自身を「音痴」だと思っている人は、どのくらいいるのだろうか? 歌いながら音程が合っているかどうか分からない人でも、分かるようになるのか? そもそも「音痴」は克服できるものなのか? そのような疑問に答えてくれるのが本書である。「音痴」に関しては、広く一般に音楽能力に先天的な欠陥があるかのごとく捉えられ、歌唱の発達途中の段階であるという認識がなされていない。実際「音痴」で悩む人に対する有効な指導法が確立しているとはいえない。本書は、音痴コンプレックスを持ち、特に指導が難しいと考えられる自分自身の歌唱の音高・音程の認知ができない「音痴」の成人に対する指導実践事例の分析を通して、「音痴」克服にむけて必要とされる歌唱技能面の指導・心理的援助を明らかにしたものである。また、指導者による有効なフィードバックを明らかにし、歌唱者の音高・音程の認知構造、並びに音痴コンプレックス克服のための援助過程のモデルを考案している。これらの指導モデルは、「音痴」克服指導において指導者が充分に活用することのできる新たな枠組みとなり得る。「音痴」克服の事例対象者は、30代女性、50代男性、大学生女子、と様々である。対象者らの変化する過程が詳細な分析から明らかになる。本書は、歌唱指導に携わる音楽の先生はもちろんのこと、「音痴」で悩む方に必読の一冊である。

このページのトップ▲

目次

図・表・譜例一覧
第1章 本研究の背景と目的
 1.1 問題の所在
 1.2 本研究の目的と意義
 1.3 本研究の構成
第2章 「音痴」の概念と先行研究 
 2.1 「音痴」の由来と概念
 2.2 文化の問題
 2.3 先行研究の検討
 2.4 内的フィードバックと外的フィードバック
第3章 「音痴」意識の実態把握
 3.1 「音痴」意識の調査Ⅰ:専門学校生を対象とした調査
 3.2 「音痴」意識の調査Ⅱ:大学生を対象とした調査
 3.3 調査Ⅰ、Ⅱの総合的考察
第4章 「音痴」の成人に対する指導実践事例
 4.1 指導実践事例の概要
 4.2 事例I:「音痴」の成人女性Jに対する個別指導事例
 4.3 事例Ⅱ:「音痴」の成人男性Lに対する個別指導事例
 4.4 事例Ⅲ:「音痴」の大学生女子Mに対する個別・グループ指導事例
第5章 対象者の音高・音程の認知構造の変化
 5.1 指導開始時の内的フィードバック
 5.2 指導による内的フィードバックの変化
 5.3 内的フィードバックを変化させるための外的フィードバック
 5.4 内的フィードバックと外的フィードバックの総合的考察
第6章 対象者の音痴コンプレックスの変化
 6.1 指導開始時の心理面
 6.2 指導過程を通してみられた対象者の心理面における変化
 6.3 指導者による心理的援助
 6.4 音痴コンプレックス克服の総合的考察
第7章 研究総括
 7.1 研究のまとめ
 7.2 「音痴」克服のための指導法の提言
 7.3 今後の課題
 7.4 おわりに
文献一覧

このページのトップ▲

著者

小畑千尋著

小畑千尋(おばた ちひろ)
文教大学教育学部発達教育課程教授

このページのトップ▲