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比較連邦制史研究
  
佐藤勝則編著
A5判・上製・352頁
(本体6,000円+税)
ISBN 978-4-8115-7541-4 C1022
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内容概略
 1993年の憲法改正によって三つの言語地域共同体の形成と再度の連邦政府の創出によって国民国家を規定し1831年憲法を脱却したベルギーは連邦制国家へと移行した。この国は日本の四国ほどの領土面積しかない。しかしそこにはヨーロッパの連邦制に固有の歴史的性格が表れている。アングロ・サクソンの大英帝国植民地連邦制やソ連社会主義連邦制、或いは自力自助のアメリカ合衆国連邦制とも異なる21世紀の地域統合の方向性が分権的統合を特徴とするヨーロッパ連合(EU)のうちにも体現されている。
 本書は、イギリス、アメリカ、ドイツ、フランス、ベルギーの歴史研究者が中心となり、この問題について国制史、地域社会史そして地方行財政史の視座から考察を試みたものである。

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目次

序 
第一章 連邦制的地域統合の比較社会構造史
  -ヨーロッパ連邦制の諸類型と諸段階-
 Ⅰ.プロローグ
 Ⅱ.ヨーロッパにおける地域統合
 Ⅲ.連邦制の現代的位相
 Ⅳ.連邦制ヨーロッパの歴史的位相
 Ⅴ.エピローグ-地域主義と連邦制-
第二章 ハプスブルク朝神聖ローマ帝国統治体制の諸相
 Ⅰ.研究史整理と問題の所在
 Ⅱ.等族同盟の役割と限界-カトリック連盟の場合-
 Ⅲ.展望-帝国的統合のバイアスを抱えるドイツの「フェデラリズム」-
第三章 ハルデンベルク改革政治とマルヴィッツ
  -プロイセン改革期における身分制的国制再生論-
 Ⅰ.はじめに
 Ⅱ.ナポレオン支配の体験と賠償金支払い問題
 Ⅲ.ハルデンベルク政権初期の改革政策
 Ⅳ.クールマルク貴族とマルヴィッツの身分制的国制再生論
 Ⅴ.おわりに
第四章 チェコの地方制度と連邦制
 Ⅰ.はじめに
 Ⅱ.チェコスロヴァキア成立前の連邦制論
 Ⅲ.チェコスロヴァキアと連邦制
 Ⅳ.チェコスロヴァキア解体後
 Ⅴ.おわりに
第五章 アイルランド自治問題と連邦構想
  -連合王国と帝国の二方向の連邦化-
 Ⅰ.はじめに
 Ⅱ.両国の財政関係に関する二つの委員会報告と1914年法
 Ⅲ.アイルランド自治と連邦構想
 Ⅳ.おわりに
第六章 19世紀末のウェールズ問題
 Ⅰ.問題提起
 Ⅱ.十分の一税論争
 Ⅲ.ウェールズ土地問題調査勅命委員会
 Ⅳ.ウェールズの自治問題
 Ⅴ.小括と展望
第七章 再建期アメリカ合衆国における市民の権利保護論争
  -連邦執行法の検討を中心に-
 Ⅰ.はじめに
 Ⅱ.執行法の内容と新たな市民の権利保護体制の特質
 Ⅲ.執行法の制定過程
 Ⅳ.連邦司法の執行法解釈
 Ⅴ.おわりに
第八章 1870年代ミズーリ州における「納税者の反乱」
  -アメリカ的地域財行政の特質に関する一考察-
 Ⅰ.はじめに
 Ⅱ.ミズーリ州における鉄道建設
 Ⅲ.ミズーリ州における「納税者の反乱」
Ⅳ.1875年ミズーリ州憲法
 Ⅴ.おわりに
第九章 現代フランス農村にみる補完性原理
  -オートマルヌ県バル・デ・ティル村の事例分析-
 Ⅰ.はじめに
 Ⅱ.農村コミューンの実際
 Ⅲ.農村社会の変貌と地方分権
 Ⅳ.新たな公共圏の構築
 Ⅴ.零細コミューンの存立と補完性
第十章 ベルギー連邦制と欧州統合
  -地方自治と補完性の視点から-
 Ⅰ.はじめに
 Ⅱ.言語文化対立と地域問題
 Ⅲ.単一制国家から連邦制国家へ
 Ⅳ.欧州統合と補完性原理
 Ⅴ.おわりに
 資料 ヨーロッパ地方自治憲章
あとがき
索引 

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著者

佐藤勝則編著

佐藤勝則(さとう まさのり)
東北大学大学院文学研究科教授

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