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書籍のご案内

ジェンダー・フリー保育
  
青野篤子著
A5判・上製・横組・146頁
(本体3,000円+税)
ISBN 978-4-8115-7711-1 C1036
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内容概略
 「ジェンダー・フリー」ということばは今や死語と化している。男女の壁を取り払う(文字どおり同室で着替えをすることなども議論となった)ことへの抵抗、「フリー」ということばの誤解などによりバッシングが起こって以来である。現実にジェンダー・フリー保育は現場にほとんど浸透しておらず、この誤解や批判は不合理なものであるが、逆風(バックラッシュ)のなかでジェンダー・フリー保育は後退を余儀なくされている。また、少子化や幼保一元化、子どもの発達の困難さ、育児不安や生活難など、保育をとりまく環境が厳しさを増す昨今、男女平等やジェンダー・フリーを志向する傾向は相対的に弱まっている印象を受ける。
 男女共同参画社会の実現にとってもっとも重要なことは、次世代の育成であり、乳幼児期からの男女平等教育をいっそう推進していくことである。「ジェンダー・フリー」にまつわる最大の誤解は、何でも子どもの自由な選択にまかせれば子どもの自由が保障されるという思いこみである。しかし、幼児期には既にジェンダーによって色分けされた様々な好みが作られており、自由という名のもとに子どもに不自由を強いる結果を招いてはいないだろうか。
 本書は、保育現場の協力を得ながら、本当の意味での「ジェンダー・フリー」を追求した試みをまとめたものである。子どもの育ちは待ったなしである。本書が、次世代育成のヒントになれば幸いである。

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目次

巻頭口絵 園児の作品例
まえがき
第1章 男女平等とジェンダーに対する保育者の意識
 1. ジェンダー・フリー論争の意味
 2. 保育者・保護者調査の目的と概要
 3. 性差と保育
 4. ジェンダーのしろうと理論
第2章 園の隠れたカリキュラムと保育者の意識
 1. 調査の目的と方法
 2. 結果
 3. 考察
第3章 男性保育者が保育を変える
 1. 男性保育者に対する保護者と保育者の期待
 2. 男性保育者の保育職に対する意識
第4章 ジェンダー・フリー・プログラムの実践
 1. 自由度を高める描画プログラム
 2. スポーツにおけるジェンダー・フリー・プログラム
第5章 「研究室だより」による現場へのフィードバック
 1.「研究室だより」で伝えたこと
 2.「研究室だより」への反響
 資料「研究室だより」第1号~第10号
あとがき
付録 調査票
索引

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著者

青野篤子著

青野篤子(あおの あつこ)
福山大学人間文化学部教授

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