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高等教育制度と大学設置認可行政
  
三和 義武 著
A5判・上製・横組・144頁
(本体3,000円+税)
ISBN 978-4-8115-7791-3 C1037
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内容概略
本書は、第二次世界大戦以前とそれ以後の高等教育制度を概観した上で、近年の大学設置認可行政の変遷・変容の態様を問うものである。とりわけ1991(平成3)年に制定・施行された大学設置基準の大綱化に焦点をあて、その前後に生じた大学設置基準の厳格化による量的抑制や規制緩和政策による量的拡大の変化の様相を検討していく。
それによって、この時期に大学設置認可において、大きな政策転換の実態があったことを見出していく。そのために、大学設置基準大綱化の政策意図および意義を明らかにし、3つの大学、すなわち、同規模かつ同学部を持つ3大学において、大綱化以前、大綱化直後、そして大綱化以後の大学設置認可申請の状況について、インタビュー調査を行い、実態的な比較・検討をする。
また、他の1大学については、時代の変遷ごとに大綱化をはさんで増設される学部(学科)の大学設置認可申請の実態について、同じくインタビュー調査によって、ミクロの観点から実態を探っていく。
それらから、文部省(現:文部科学省)による高等教育政策や政府による規制緩和政策などが複雑に絡み合いながら、大学設置認可政策が進んでいったことが明らかになる。

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目次

序章
 1 問題の所在
 2 先行研究の検討
 3 課題と方法
 4 本書の構成
第1章 戦前期における私立高等教育機関の設置認可制度
 1 私立高等教育制度の概観
 2 私立高等教育機関の設置認可の制度と実態
 3 私立高等教育機関の発展
 4 まとめ
第2章 戦後期の私立大学設置認可制度と高等教育政策
 1 新制大学の誕生と設置認可の特徴
 2 私立大学の量的拡大
 3 1970年代以降の高等教育政策
 4 まとめ
第3章 大学設置基準大綱化の政策意図
 1 大学に関する審議会の変遷
 2 大綱化に至る背景・意図と内容
 3 設置認可に関する法令等の変化
 4 まとめ
第4章 大綱化前後における総合政策学部の新設過程―3大学の比較・検討
 1 総合政策学部のケーススタディの意義
 2 総合政策学部の設置認可過程―3大学のケーススタディ
 3 まとめ
第5章 D大学における大綱化前後の学部・学科新設過程
 1 大綱化前後のD大学の学部・学科設置の実態
 2 ケーススタディからみた設置認可行政の問題点と実態
 3 大綱化後約10年を経た設置認可行政
 4 まとめ
終章
 1 本研究の要約
 2 考察と結果
 3 今後の研究課題
注釈
附属資料
引用・参考文献
索引

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著者

三和 義武 著

三和義武(みわ よしたけ)
愛知淑徳大学文学部専任講師

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