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発達障がい児を育む「創造的身体表現遊び」の実証的研究
  
大橋 さつき 著
A5判・上製・横組・176頁
(本体4,000円+税)
ISBN 978-4-8115-7961-0 C1036
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内容概略
 本書では、運動遊びによる発達支援法である「ムーブメント教育」と身体表現活動を基盤に、著者が独自に展開してきた実践を「創造的身体表現遊び」と名づけ、発達障がい児を対象にした実践記録をもとに、その理論構築を試みている。
 まず、60のプログラムの記録から発達障がい児支援における「創造的身体表現遊び」の効果に関する仮説として、①身体運動能力の発達を促進、②コミュニケーション能力の向上、③自尊感情の低下の防止、の3点を掲げている。さらに、これらを切り口に、継続的に実践に参加したASD児を対象とした分析を行い、「創造的身体表現遊び」の特徴や構造について論じている。  総括としては、「創造的身体表現遊び」の環境は、発達障がい児の「動きたい」、「かかわりたい」という欲求を促し、身体運動能力、コミュニケーション能力、自尊感情を高めており、これらが相互的に影響し総合的な高まりを生じさせるとの見解を示した。さらに、発達の「広がり」と「流れ(連続性)」を包括的にとらえた様々な要素を含む遊びの場を繰り返し体験できることから、「創造的身体表現遊び」は、標準的な発達から想定される課題を特化しマイナスを埋めようとする対処療法的な訓練法ではなく、発達障がい児の主体的な育ちを支える漸次的で循環的な展開を有していると論じている。
 貴重な実践事例をもとに展開されており、発達障がい児の育成・支援に関する学術的な議論のみならず、教育・療育の現場の実践における有用が期待される。

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目次

第1章 序論
 1.1 研究の背景
 1.2 「創造的身体表現遊び」の名称と研究の目的
 1.3 本稿の構成
 1.4 用語の整理
第2章 「創造的身体表現遊び」の構造と発達障がい児支援における可能性
    ─仮説設定に向けた実践プログラムの分析─
 2.1 背景と目的
 2.2 【研究2-①】「創造的身体表現遊び」の構造と特徴
 2.3 【研究2-②】「創造的身体表現遊び」における発達障がい児の変化 ─親の気づきを通して─
 2.4 小括─発達障がい児支援における「創造的身体表現遊び」の可能性(仮説設定)─
第3章 「創造的身体表現遊び」における自閉症スペクトラム障がい児の身体運動能力の拡大
 3.1 背景と目的
 3.2 方法
 3.3 結果
 3.4 考察
 3.5 小括
第4章 「創造的身体表現遊び」における発達障がい児のコミュニケーション支援の実際                    ─自閉症スペクトラム障がい児の他者との相互作用に着目した分析から─
 4.1 背景と目的
 4.2 方法
 4.3 結果
 4.4 考察─「創造的身体表現遊び」におけるコミュニケーション支援の特徴─
 4.5 小括
第5章 発達障がい児の自尊感情を支える「創造的身体表現遊び」
    ─自閉症スペクトラム障がい児の自尊感情傾向の分析から─
 5.1 背景と目的
 5.2 【研究5-①】本研究における発達障がい児の自尊感情に関する尺度の検討
 5.3 【研究5-②】「創造的身体表現遊び」における対象児の自尊感情傾向の変化
 5.4 【研究5-③】自尊感情傾向と関連する「創造的身体表現遊び」の場面の分類
 5.5 考察
 5.6 小括
第6章 総括
 6.1 各章のまとめ
 6.2 「創造的身体表現遊び」における発達支援のあり方
 6.3 今後の課題
文献一覧
謝辞

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著者

大橋 さつき 著

大橋 さつき(おおはし さつき)
和光大学現代人間学部准教授

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