はじめに
第1章 現象学に基づく質的研究の意味と意義
1. 質的研究に対する恣意性の要求
2. 現象学に基づく質的研究のためのスキル
3. 質的研究における曖昧さ
4. 質的研究における実感
5. 質的研究における曖昧さの甘受と柔軟性
第2章 人間における主観と客観との両義性
1. 主観と客観との両義性の根拠としての世界化の逆説
2. メルロ-ポンティにおける身体の両義性
3. 触れる者としての身体と触れられうる物としての身体
第3章 他者経験の現象学から他者の他者経験の解明へ
1. 現象学を自ら遂行すること
2. 隠された根拠の解明
3. 現象学における暗黙の前提
4. 他者経験の現象学
5. 他者における他者経験の解明
6. 共同の受容作用
第4章 人間研究における生の深さとその感受
1. 生における深さの次元
2. 実存としての私の存在と不安
3. 生を感受すること
4. 自己触発
第5章 現象学的精神病理学からみた現象学
1. 現象学的人間学の創始者としてのビンスワンガー
2. ボスによるビンスワンガー批判
3. 木村敏における現象学的精神病理学
4. 他者の道筋を自分の道筋にすること
5. 個別における普遍的な本質
6. 哲学としての現象学と経験科学との循環関係
第6章 事例研究による哲学の普遍化
1. 根源や源泉に導かれている独創性
2. 独創的であるがゆえの個別性
3. 哲学における個別性の普遍化
第7章 経験科学からみた相互主観性の現象学
1. 相互主観性の現象学における自他の共存と融合
2. ワロンにおける癒合的社会性
3. 新生児の感受性の豊かさ
4. おぎない合う呼応
5. 他者経験の根拠としての乳幼児の潜在的能力
おわりに 経験科学による哲学としての現象学の捉え直し
注
引用文献
索引
中田基昭(なかだ もとあき)
東京大学名誉教授
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